本の日記 キックオフ

 読書という行為はそのままだとひたすらに内向きだ。よく考え事をしている人を見て「自分の世界に入っている」なんて言うが、読書の場合は完全に「本の世界に入っている」状態になる。自分の世界に入っている状態は文字通り自分に対して何か働きかけている状態だから、その結果として自分を変えることにつながる場合も多い。ところが、読書ってのは人の世界に入っている状態だから、油断すると読了後「あぁ、楽しかった」で終わっちまうことがある。いわゆる映画を見終わった後の「現実に戻る」感覚だ。

 これじゃぁ、もったいない。

 人の世界に入り込んで得たものを、もう一度自分の中で反芻して、アウトプットするという作業をすべきかもしれないと思った。これは明らかに手間だし、時間もかかる。しかし少なくとも良い作品と出会ったときは、その手間を惜しまず自分のものにしたい。

 もうひとつ。

 本を読むというのは立派な趣味だと思う。人によっては暇つぶし以上ではないかもしれないが、世間のあらゆる趣味と同等に扱える立派な趣味だと思う。だから、本を読むという行為に関連した事柄もここで取り扱いたいと思う。たとえば、いい読書場所とか、いいブックカバーとか、あれとかこれとか……。